2019年7月に北海道教育庁によって行われた特別支援教育進路指導協議会でのお話の続きです。
前回は知的障がい特別支援学校高等部のお話でした。
知的障がい特別支援学校高等部は「知的障がいがある」生徒に出願資格があり詳しくは以下のようになっています。
〇医師の診断がある、または公的な機関において知能検査の結果や社会生活への適応の困難性などから知的障がいと診断されている
〇知的障がい特別支援学級に在籍している
〇療育手帳を取得している(合格発表前日までの取得見込みを含む)
北海道の場合、療育手帳は知能検査でIQ70以下だと出ます。もちろん聞き取りも含めての総合的な判断らしいですが。
(うちの息子の場合IQ75の時にはどんなに普段大変かを訴えても取り合ってもらえませんでしたが、検査結果がIQ70になった途端に「療育手帳の申請ができます」と言われました・・・。大変さはさほど変わってなかったんですけどねぇ・・・。)
今回は高等学校のお話になります。
知的障がいはないが特別な配慮を必要とする障がい等のある生徒に対する配慮や支援が高等学校ではどのように行われているのか、という内容でした。
北海道(道立の高校)では以下の3つについて行われているまたは取り組みが始まったところのようでした。
高等学校における特別支援教育
(1)高等学校入学者選抜における配慮
(2)高等学校における特別な教育的支援について
(3)高等学校における通級による指導について
(1)高等学校入学者選抜における配慮
障がいがあり高校に対して特別な配慮の要望を伝えたいが合否に影響を与えてしまうのではないかと心配で伝えられないという話をよく聞きますが
これは心配しなくていいそうです。
「入学者の選抜は、実施要項で示された資料(個人調査書及び学習成績一覧表、学力検査の成績、面接の結果等)を総合的に評価して行うので障がいへの特別な配慮の申し出が合否に影響を与えることはありません」とのこと。
まあ、そうですよね、差別になるし。
特別な配慮を必要とする障がい等のある生徒が出願したい場合は、出願受付前までに行う以下の一連の流れが必要になるそうです。
①在籍している中学校に保護者(生徒)が相談し
②中学校から出願を希望している高等学校へ依頼文書で相談
③生徒、保護者、中学校関係者、高等学校関係者等による シミュレーションを実施し
④北海道教育局の高校教育課と協議の上
⑤高校教育課から回答がきてようやく出願できるかわかる
ということのようです。
上記①の「中学校への相談」はいつまでに行うかについてですが、上記②で「出願を希望している高等学校」とありますがどの高等学校にするかが未定でも道立高等学校への出願を考えている場合はできる限り早く中学校に相談し、可能な限り出願の受付前に協議を終えることができるようにしてほしいそうです。
ここで注意しないといけないことがあります。
高等学校への出願を考えている場合は普通級の生徒と同じように評定されていることが大前提です。つまり普通級の生徒と同じ試験を受けていなければいけないということ。
(昨年小学校の特別支援コーディネーターの先生に聞いて教えていただいた話では、試験を受けるために普通級に行かなければならないということはなく、支援級在籍でも普通級の生徒と同じように試験は受けられるということでした。ただし、それには中学に入学してすぐ先生にその旨伝えておく必要があるそうです。
普通級の子達が試験をしている時間、支援級の子達は作業時間になっているそうなので高等学校への出願を考えている場合は入学してすぐにでも担任の先生に伝えることが大事です。)
なにも伝えずに支援級に在籍していたら支援級独自の評価しかしてもらえないので中3になってから道立高等学校を受験したいと言い出しても評価の仕方が違うので難しいことになるでしょう。
長くなりそうなので次回に続きます。