2019年7月に北海道教育庁によって行われた特別支援教育進路指導協議会でのお話の続き(最終話)です。
だいぶ間が空いてしまいましたが、以前予告していた「令和2年度(2020年度)の入学者を対象とした知的障がい特別支援学校高等部の入学者選考の概要について」です。
保護者の皆様へと題されたプリントに分かりやすい説明で書かれていましたが、
入学者選考の検査内容が変わる、ということでした。
これまでは、知的障がい特別支援学校高等部の普通科のみを設置している学校では「集団・行動検査」を
職業学科を設置している学校では、「運動能力に関する検査」「作業能力に関する検査」「生徒面接」を
行ってきたそうです。
これが
↓
全ての学校で共通した「学習状況検査」「面接」を実施します。
ということになるらしいのです。
といっても
知的障がい特別支援学校高等部の普通科のみを設置している学校は基本的な生活習慣の自立を目指してるので、ぶっちゃけると知的に重~中等度の生徒さんが行くイメージ。
一方、職業学科を設置している学校は卒業後の職業自立に必要な知識、技能、態度などの能力を養うための作業学習が中心になっていて、知的に軽度以上の生徒さんが行くイメージ。
上記二種の学校をそれぞれ希望する生徒さんが知的に同じレベルではないことはもちろんなわけで、まあ、全ての学校で共通の入試選考というのは建前上であり実際に行う際は配慮が必要になってきますよね。
で実際の違いはというと
特別支援学校高等部の普通科のみを設置している学校では
入学選考検査は面接20分。この20分の中で「学習状況検査」も合わせて行うそうです(短かっ!!)。紙面または教材を使って実施する予定。
一方、職業学科を設置している学校では
紙面による学習状況検査40分(配布5分と回収5分を合わせると50分)+面接20分
を実施する予定。
要は職業学科を設置している学校を目指していたお子さんにとっては
ペーパーテストなんて寝耳に水なんだけど?
という状況のようです。
ゆうゆうは、こういう教育的な説明会は初めてだったので、情報の波に流されるばかりでしたが、後の質問タイムで現役中学校教師から出てきた「学習状況検査」に関して思うところが少々ありました。
配布プリントに出題例が載っており、漢字の読み書き、対義語の他に
表を読み取り平均を出す問題がありました(特別支援学校中学部の数学で学ぶことにはなっているようです)。
うわ、うちの子もできなさそうと思って見ていましたが、質問?された先生も受け持ちの生徒さんにはこれまで指導をしてこられたけど対義語や数学の文章題は定着が難しいと訴えておられました。そしてペーパーテストで合否を決めることに納得がいかないという感じでした。
まあ、これまで中学校の支援級は作業学習中心だったのにこれからはペーパーテストもありますとか言われて勉強も頑張らないといけないとか・・・支援級の子にはつらいなと思いました。
特別支援学校高等部へ進学を考えておられる場合は中学校担任の先生にまず相談します。中学校から進学を検討している特別支援学校に申し込み、その特別支援学校高等部での教育相談が行われるからです。
例年6月から教育相談は本格化するようです。そして6月に公立特別支援学校配置計画(案)が公表されます。どこの学校のどの学科で何人配置されるのか、いわゆる定員の見通しが出ます。11月には正式に定員がわかり、12月に各学校のWEBページ上に募集要領等が公表され、1月に入学願書の提出そして入学選考検査が(2020年は1月27日)1月末にあり、2月に(2020年は2月12日)合格者発表となります。
中学3年になってからの時間の流れが早そうです・・・。
中学2年の時点で情報収集で動く必要がありそうです。
配布プリントの最後に「授業の様子、通学方法、寄宿舎の有無、卒業後の進路など、必要な情報を収集してください。」と保護者向けのお願いが書かれてありました。
・・・発達障がいのあるこどもの親、情報収集能力を求められること多すぎです・・・。